有機ELパネルの開発部門を統合して誕生したJOLED(ジェイオーレッド)は27日、東京地裁に民事再生手続き開始を申し立て、承認されたことを発表した。負債総額は約337億円にのぼる。同社は製造・販売事業から撤退し、石川県能美市と千葉県茂原市の生産拠点も閉鎖する方針を明らかにしたが、閉鎖時期は未定。政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が大株主であるが、巨額の支援にもかかわらず、同社は軌道に乗らずに経営破綻した。
同社は、生産に時間と予想を上回るコストがかかった上に、高性能かつ高品質なディスプレイの需要が低迷していると説明している。また、韓国や中国の競合相手との価格競争の激化によって収益が伸びず、資金流出が続いた。約380人の社員については、開発事業以外の部門で働く約280人を順次解雇すると明らかにした。
なお、ディスプレーの技術開発事業は、INCJの支援を受けている液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)が引き継ぐことになるが、同社も引き続き赤字が続いており、厳しい経営状況に直面している。