トランス女性の入浴めぐるデマゴーグ、差別助長のヘイト投稿で「傷つき、外出も怖い」 当事者らが声明
LGBT関連法の検討が進む中、元首相秘書官によるLGBT差別発言をきっかけに、トランスジェンダー女性に対する差別が広がっているとして、LGBT法連合会が3月16日、「いたずらに人々の不安をあおる議論は容認できない」との声明を発表した。
声明発表には、立石結夏弁護士が同席し、「『LGBT関連新法が成立すると、トランスジェンダー女性が女湯に入ってくる。トランスジェンダー女性を女湯に入れなければ、法律違反になる』とおっしゃる方がいるそうですけれども、それは誤りです」と述べた。
立石弁護士によると、LGBT関連法は、現在すでにある性的マイノリティの権利を明確にする意図であり、新たな権利を創設していないという。現在、銭湯などの公衆浴場は「男女を区別し、その境界には隔壁を設け、屋外から見通すことのできない構造」(公衆浴場における衛生等管理要領)とされており、ホテルなどの大浴場でも同様に定められている。
NHKで過去に放送された「レインボー風呂ジェクト」では自己申告で入りたい温泉を選べる試み
「レインボー風呂ジェクト」とは、LGBTと呼ばれる多様な性の人たちと一緒に温泉につかりながら、誰もが楽しめる温泉について考えるプロジェクトです。その中で、参加者が自分自身が一番「しっくりくるお湯」を選ぶ「自己申告の湯」が行われました。男性が女湯に入りたいと言い出し、会場がざわつきましたが、彼は「自分はゲイで、男性の裸がないところがいいなあと思って女湯を選びました」と話しました。その結果、一緒に入った女性たちは、性的な目で見られていないという安心感から、意外と平気だったという反応が返ってきました。