秋田県仙北市議会は、市が提案していた敬老祝い金や消防団員の慰労金支払いを廃止する条例案を、17日に反対多数で否決した。
市は財政難に悩み、少子化対策に予算を充てたいと考えていたが、高齢者層を中心に反発があり、議会側が条例案を退けた。
敬老祝い金条例は、高齢者を敬い、福祉の増進に寄与することを目的に、満80歳に5000円、満100歳に10万円を支給するものであった。
また、消防団員が退職する際に、役職に応じた慰労金を家族に支払っていたが、新たな条例案により一部が事実上廃止されることとなる。
市は急速な少子化に危機感を強めており、規定の一部を廃止する方針を打ち出したが、市議会からは反発の意見が相次いだ。
特に、80歳の敬老祝い金を廃止する案に対しては、「老後の唯一の楽しみも削るのか」といった落胆の声が挙がった。
田口知明市長は否決後、取材に対し、「財政事情に余裕があれば続けたいが、高齢化率は4割を超え、少子化対策は早急に手を打たなくてはならない」とコメントし、今後の対応を改めて検討すると話した。