英国の放送局BBCが、ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏の性的加害について報じたドキュメンタリー番組が注目を浴びている。同番組の制作者であるモビーン・アザー氏とプロデューサーのメグミ・インマン氏は、東京都内で開かれた日本外国特派員協会のZoom会見にて、取材に応じた。
番組では、かつてジャニーズ事務所に所属していた4人の元メンバーが、ジャニー氏の自宅で行われた出来事について生々しく証言した。この自宅は「合宿所」と呼ばれており、番組は3月7日に英国で放送された。日本外国特派員協会での会見には、約40人の記者が集まったが、日本のメディアはもちろん参加可能だが、テレビカメラはわずか3台だった。
アザー氏は、20年以上にわたってジャーナリストを務めていると語り、日本の司法機関の動きの鈍さや閉鎖性を指摘した。
1999年から2000年にかけて、週刊文春の記事によってジャニー氏のセクハラ行為が明らかにされた後、ジャニー氏とジャニーズ事務所は名誉毀損で週刊文春を訴えた。裁判は4年間続き、東京高裁判決では、ジャニー氏が行った行為の真実性が認められた。
アザー氏は、「名誉毀損訴訟の後、捜査が行われたかは知るよしもありません。ただ、ジャニー氏が起訴されなかったことは確かです。これはショッキングなことです」とコメントした。
また、「パキスタン、メキシコ、アメリカ、カナダなどでは、弁護士や法的機関、警察への取材は可能でした。しかし日本では、特派員でない限り警察と交流することすらできない」と日本の司法制度の問題を指摘した。