福岡市東区の認可保育園において、2020年に小麦や卵などのアレルギーを持つ園児に、誤ってプリンやパスタが与えられ、重度のアレルギー反応が起こって緊急搬送されたことが判明しました。福岡簡易裁判所は、当時の担任に対して業務上過失傷害罪で罰金20万円の略式命令を出しました。
園児の両親は園と担任に対し、約332万円の損害賠償を求めて福岡地方裁判所に訴訟を起こしました。14日には第1回口頭弁論が行われ、園側は事実関係は認めたものの、賠償金額について争う姿勢を見せました。
訴状によると、園児は2020年4月に2歳で入園し、両親はアレルギーについて園側に説明していました。しかし、2020年5月26日、当時の20代の女性保育士が卵を含んだプリンを与え、園児は発疹が出て緊急搬送されました。6月11日には同じ保育士が小麦の入ったパスタを与え、再び病院に搬送されました。園児は嘔吐を繰り返し、発熱や咳が収まらず、2日間入院しました。
保育園の園長は取材に対し、「事故を起こしたことは申し訳なく思っており、再発防止に努めている。裁判には真摯に対応する」と話しています。両親は弁護士を通じて、「同じような事故が起きてほしくないとの思いから訴訟を起こした」とコメントしています。