東京都が行っている、性暴力や虐待などの被害を受けた若年女性らへの支援事業について、福祉保健局が必要な権限委任を得ず、事業委託先と直接契約を結んでいたことが明らかになった。これは、15日に開催された都議会財政委員会で、自民党の川松真一朗都議の質問によって財務局側が認めたものである。
東京都の「契約事務の委任等に関する規則」では、知事が権限を持つ契約に関する事務を、一定の条件下で各局に委任している。支援事業で用いられた委託契約の場合、契約額が1千万円未満であれば、事業を所管する局長にあらかじめ権限が委任されているが、1千万円を超える場合は、財務局長を経て知事に個別的な権限委任を申請する必要がある。
支援事業では、平成30年度以降、すべての委託先との契約額が1千万円を超えており、規則上、個別的な権限委任が必要となる。川松氏が個別的な権限委任の有無を尋ねたところ、財務局の前山琢也・契約調整担当部長は、「福祉保健局から、本件契約に関わる協議を受けていない」と答弁した。